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歯周病ってどんな病気?
2025.12.15
こんにちは。興福歯科医院です。
今日は、歯周病についてお話をしたいと思います。
❓歯周病とはどんな病気❓
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。
歯ぐき(歯肉)の内側は普段見ることは出来ませんが、歯の根の表面にあるセメント質と歯槽骨との間に歯根膜という線維が繋がっていて、歯が骨から抜け落ちないようにしっかりと支えています。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり、腫れたりしますが痛みはほとんどの場合ありません。
さらに進行すると膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜かなければならなくなってしまいます。
日本人の40歳以上の約8割がこの病気に罹っています。

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⭕️❌歯周病のセルフチェック⭕️❌
【全体】
- 1.口臭を指摘された・自分で気になる
- 2.朝起きたら口の中がネバネバする
- 3.歯みがき後に、毛先に血がついたり、すすいだ水に血が混じることがある
【歯肉の症状】
- 4.歯肉が赤く腫れてきた
- 5.歯肉が下がり、歯が長くなった気がする
- 6.歯肉を押すと血や膿が出る
【歯の症状】
- 7.歯と歯の間に物が詰まりやすい
- 8.歯が浮いたような気がする
- 9.歯並びが変わった気がする
- 10.歯が揺れている気がする
【判定】💮
✔️チェックが1~3個の場合
歯周病の可能性があるため、軽度のうちに 治療を受けましょう。
✔️チェックが4~5個以上の場合
中等度以上に歯周病が進行している可能性 があります。早期に歯周病の治療を受けま しょう。
✔️チェックがない場合
チェックがない場合でも無症状で歯周病が進行することがあるため1年に1回は歯科検診を受けましょう。
🦠歯周病の原因🦠
お口の中にはおよそ400~700種類の細菌が住んでいます。
これらの細菌は普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取するとネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。
これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。
この歯垢1mgの中には約10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。その中でも歯周病をひき起こす細菌が多く存在していると言われています。
この歯垢の中の細菌が歯肉に炎症をひき起こし、やがては歯を支えている骨を溶かし、結果的に歯を失う原因となります。
歯垢は取り除かなければ硬くなり、歯石と言われる物質に変化し歯の表面に強固に付着します。これはブラッシングだけでは取り除くことができません。この歯石の中や周囲に細菌が入り込むことで、歯周病を進行させる毒素を出し続けてしまうのです。
⬇️次のことも歯周病を進行させる原因となります。⬇️
- 喫煙
- 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
- 不適合な冠(被せ物)や入れ歯
- 不規則な食習
- ストレス
- 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、心臓疾患、脳血管疾患、誤嚥性肺炎、ホルモン異常)
- 薬の長期服用
- 部分的に歯がない(歯がある方で噛むため負担が増加し、歯周病を部分的に進行させる)
- 両親が若い時から入れ歯だった
- 口で呼吸することが多い
- 免疫抑制剤を飲んでいる、あるいは免疫低下の状態
- 正しい歯磨き技術が身についていない

このような方は歯周病になりやすいあるいは進行が速い傾向にあるため、歯医者さんに相談することをお勧めします。
⚖️歯肉炎と歯周炎の違い⚖️
歯の周囲の骨(歯槽骨)の破壊(吸収)が無く、歯肉が腫れることで相対的にポケットが深くなった状態を歯肉ポケット(仮性ポケット)と呼び、病名を歯肉炎といいます。
歯肉炎では、歯間乳頭歯肉や辺縁歯肉が赤く腫れたり、歯ブラシ時の出血等を認めます。痛みなどを感じないため、放置されてしまうことが多いです。
歯槽骨吸収や歯根と歯槽骨の間にある歯根膜の破壊があり、ポケットの底部が歯根の先端方向に移動した状態を歯周ポケット(真性ポケット)とよび、その場合の病名は歯周炎です。
歯周炎では、歯肉の発赤、腫脹、膿瘍形成、ブラッシング時の痛みや出血、歯周ポケットからの排膿、歯槽骨吸収、歯の動揺、歯の移動や口臭等を認めます。

歯周組織検査(歯周精密検査)(歯周病の検査)では、歯の動揺度、プロービング深さ、BOP(出血の有無)およびプラークの付着状態(PCR)の検査を行い、エックス線検査の結果と併せて、診断名を決定し、治療計画を立てて、歯周病治療を開始します。
歯周ポケットの深さ(プロービング深さ)の測定には、歯周プローブを使用し、歯周組織の破壊程度や歯周治療に対する組織の反応性を評価します。歯周プローブをポケットに挿入し、深さを測定することをプロービングといいます。
数値が1〜3mmが正常値で、4mm以上ですと歯周病が進行している可能性があります。
プロービング時の荷重は25 g程度(爪と指の間にプローブを入れた時に、指の色が白く変わる程度の圧)が適切で、歯肉に炎症が無いもしくは少ない場合は、プロービング時に抵抗感があり、プローブはポケット底部に到達しません。
一方炎症が強く、歯槽骨吸収や歯根膜の破壊が有る場合は、プローブはポケット底部を貫通し、プロービング時に出血を認めます。

歯周炎は、歯周ポケットの深さや歯槽骨が溶けている割合から、「軽度歯周炎」「中等度歯周炎」「重度歯周炎」に分けられます。
🌤️軽度歯周炎🌤️
歯周炎の初期段階、すなわち歯槽骨が溶け始め、歯周ポケットの深さが4mm程度の状態です。
軽度歯周炎の症状は、歯肉炎と同様、歯肉の発赤腫脹、歯磨きなどの刺激で出血する程度で、痛みなどの強い自覚症状はありません。しかし、歯周炎の段階になると、元の完全な健康な状態に戻すということは難しくなります。
⛅️中等度歯周炎⛅️
軽度歯周炎を放置していると、歯周病は痛みなどの症状が無くジワジワと進行する病気ですので、炎症はさらに強く広がって中等度歯周炎に移行します。
歯肉の色はピンク、赤、紫が混在した状態に変わります。また歯肉はもともと歯を覆っていた位置から下がり、歯の根元付近が徐々に露出(歯肉退縮)してくるので、歯が長くなったようにも見えます。
歯肉の内側では歯を支える歯槽骨が溶け始め、エックス線写真で見ると高さが健康だった時よりも低くなります。歯の違和感や揺れ(歯の動揺)、口の中の粘つき、口臭など様々な症状も現れることも少なくありませんが、まだ気づかない人もたくさんいます。
中等度歯周炎になって自覚できる代表的な症状としては、疲れると歯が浮いた感じ(違和感)がする、歯が揺れる、口臭を家族から指摘される、歯茎から血や膿が出るなど、患者さんによって実に多様です。
☁️重度歯周炎☁️
重度歯周炎になると歯肉はさらに下がって歯と歯の隙間も目立つようになります。
歯槽骨もだいぶ溶けて無くなってきます。
歯肉から血や膿が出て口臭は一層強くなり、歯はかなりぐらついて揺れるようになります。特に重度歯周炎の歯は不安定になるため、本来の位置から別の位置へ動いて隙間が大きくなったり、前方に突出して歯並びが悪くなります。
また歯がぐらついて十分に噛めなかったり、歯と歯の隙間がさらに拡大して発音しづらくなることもあります。もし歯槽骨吸収がさらに進行すると重度歯周炎では、土台を失ってしまい歯は自然に抜け落ちます。
歯周病の進行を放置するリスク

歯周病は、時に急性化することもありますが、一般的にあまりはっきりとした症状がなく静かに進行します。主な自覚症状としては、歯ブラシ時の出血、口臭や口の中のネバつきなどの症状がありますが、いずれも我慢ができない症状ではありません。
しかし、放置しておくと、食べ物がはさまりやすくなる、歯茎が腫れる、歯が揺れる、硬いものが食べにくくなる、歯並びが悪くなる、といった症状が出てきます。この様な状態では、すでに歯周病は相当進行している可能性が高くなっています。
病気がさらに進行すると、歯の揺れはひどくなり歯が自然に抜けてしまうようになります。歯が抜けると、歯周病の治療をしたうえで、入れ歯やインプラント処置などが必要となり治療に長い期間や高額な治療費用が必要となるだけではなく、自分の歯でおいしくものをなんでも食べられるといったことができなくなる可能性があります。
🌛歯周病と歯槽膿漏の違いってなに?🌛
患者さんによく「歯周病」って「歯槽膿漏」のこと?と聞かれます。歴史的に歯の周りの組織の病気として使われてきた「歯槽膿漏」が「歯周病」に変わったのですが、歯槽膿漏では重症になって初めて認識され、そこまで病気が進むとほとんど治すことができないと認識されていました。
それに対して、歯周病では歯槽膿漏にまで病気が進むまでの過程があきらかにされ、歯周病が始まる初期の状態から歯槽膿漏までの状態も歯周病に含まれるようになりました。
すなわち、歯周病はその病気が始まる歯肉炎と歯の周りの組織の破壊が起こる歯周炎をまとめた言葉ですが、歯槽膿漏は重度に進んだ歯周炎として、歯ぐきから膿が出たり、歯がぐらぐらしたり、歯の周りの破壊が目で見てわかるぐらいに歯周病が進んだ状態を示す言葉なのです。
歯周病とその原因のお話しはどうでしたか?歯ブラシをするときに歯ぐきから出血するなど気になることがある方は歯医者さんを受診してくださいね!
次回は、歯周病とわかった時にどんな治療をするのかについてお話ししたいと思います。