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🦷「親知らず」について🦷

医院コラム

2025.08.11

こんにちは!興福歯科医院です。今日は親知らずについてお話しします。

専門的には第3大臼歯あるいは智歯(ちし)と言い、中心から数えて8番目の1番奥に生えてきますが、生えてくる人、潜ったまま生えてこない人、元々親知らずが無い人など人それぞれ違います。

=親知らずの特徴=
🦷正常に生えてこないことが多い
親知らずは、一番最後に生えてくる(18~20歳くらいに生える)ため、生える場所が残されていないことが多く、真っ直ぐ生えてくるのは珍しいことです。ほとんどが斜めや横向きに生えてくるため、歯並びを悪化させてしまう傾向があります。また、顎が骨格的に小さいと歯が生えてくるための隙間が十分では無いので、顎の大きさも親知らずが正常に生えてこない原因のひとつになります。

=親知らずが正常に生えていない時のリスク=

😖時々痛くて、歯肉が腫れる
親知らずが完全な形で生えてくる人はとても稀です。頭の部分が少しだけ生えている不完全な状態のまま放っておくと歯ブラシが奥まで届かず歯磨きがしにくいため、磨き残しになってしまいます。磨き残しが原因で親知らずの隣の歯と併せてむし歯になってしまったり、歯ぐきが炎症を起こして腫れたり、痛みが出ることもあります。特に嘔吐反射が強い方は歯ブラシを奥に当てるのが大変なので要注意です。

😫顎関節症になりやすい
親知らずと顎関節症は、一見関係が無さそうに思えますが、実は深い関わりがあるとされています。親知らずの異常な生え方によって歯並びや咬み合わせが悪くなると顎関節症になることがあります。顎の関節に負担がかかり、噛み合わせのずれや炎症が顎の痛みや口が開けにくくなるなどの症状を引き起こすことがあります。

👃口臭の原因になる
磨き残しや食べカスが親知らずと手前の歯の間に溜まりやすいので、歯周病菌が歯周ポケット内で繁殖してしまいます。タンパク質を分解する際に発生する揮発性硫黄化合物(「腐った卵のような臭い(硫化水素)」や「腐った玉ねぎのような臭い(メチルメルカプタン)」、そして「生ゴミのような臭い(ジメチルサルファイド)」)が口臭の原因になってしまいます。

親知らずを抜いたほうが良い場合=
⚠️智歯周囲炎(ちししゅういえん)を繰り返す
智歯周囲炎(ちししゅういえん)とは、親知らずの周りに付着している磨き残しをエサに細菌が繁殖することで、歯ぐきに炎症が起きている状態のことです。症状が軽度の場合は触った時に痛い程度ですが、炎症が酷くなると何もしなくても痛い、物を飲み込むのが辛くなるなどの症状が出てきます。 智歯周囲炎が何度も起こる場合は、原因となっている親知らずを抜かないと改善しないことが多いです。

😢歯並びに影響を与えてしまう
親知らずが生えてきて手前の歯を押すことにより歯並びを悪くすることがあります。
幼児期、学童期、青年期に歯列矯正をしていた方でも、親知らずが生えてきたことが原因で、せっかく並んでいた歯並びが崩れてしまう事があります。その場合、親知らずを抜いて、再矯正をすることがあります。

🦠むし歯や歯周病になっている
親知らずがむし歯になってしまうと、手前の歯までむし歯になってしまうことがあります。親知らずは磨きにくく、汚れが溜まりやすい位置にあるため、隣接する歯が虫歯になったり、歯周病の原因になることがあります。特に、真横や斜めに生えている親知らずは、そのリスクが高まります。 歯周病菌が繁殖して炎症(智歯周囲炎)を惹起してしまったり、悪化した炎症が続いてしまうと、手前の歯の骨を溶かしてしまうこともあります。

=親知らずを抜いたときに考えられるリスク=

抜歯後の炎症は本来、1週間ほどでおさまります。しかし炎症が長く続いてしまったり、ドライソケットになってしまうと痛くて噛めないことがあります。 その場合、うまく噛み合わせることが出来ず顎関節症を引き起こす原因になることもあります。


🦷ドライソケットとは🦷
通常、歯を抜いた後にできる血の塊ができないことで、炎症や痛みが出る症状のことです。
血の塊ができないと抜いた箇所の中の骨が露出して細菌感染を起こしてしまう可能性が高くなります。そのまま放置すると、炎症や激しい痛みが出て、症状が酷いと骨が壊死してしまうことがあります。特に、下の歯を抜いた時に起こりやすい症状です。抜歯後は血の塊が取れないように傷口を舌や指で触らない、過度なうがいは行わないことが大切です。

*予防法*
①抜歯後の安静:抜歯後の激しい運動やうがいは避け、安静に過ごしましょう。
② 禁煙 :喫煙は血の塊の形成を妨げるため、抜歯前後は禁煙する必要があります。
③口腔ケア:歯科医師の指示に従い、適切な口腔ケアを行うことが重要です。
④感染予防:抜歯後の感染を防ぐために、抗生物質を服用したり、うがい薬を使用したりすることがあります。

=🔧親知らずはすべて抜いたほうが良いのか?🔧=
親知らずだからすべて抜くとは限りません。親知らずが正常に生えて機能している、症状が出ていない、奥歯が抜けていて親知らずをブリッジの土台にする場合などは、一般に抜歯しなくても良いと思われます。また高齢者の方や基礎疾患のある方は、抜くかどうかをかかりつけ歯医者の歯科医師や内科医と充分に相談することをお勧めします!
親知らずが複数生えている場合は、歯科口腔外科に入院して一度に全ての歯を抜く方法などもあります。その場合はご希望の歯科口腔外科の紹介状をお出しします。しかし智歯周囲炎などが原因で歯肉が腫れてしまっている場合は、腫れを一旦引かせてからでないと歯を抜くことができません。親知らずが気になったら早めに歯科受診をしましょう!

参考文献:日本口腔外科学会

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