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口腔粘膜疾患
2026.06.11
こんにちは。興福歯科院です。
みなさんは虫歯や歯周病以外のお口の病気ご存知ですか?口唇・舌・歯肉・頬粘膜・口蓋・口底などに、びらん、潰瘍、腫瘤、水疱などができる症状を口腔粘膜疾患といいます。今日は、口腔粘膜疾患にどのような病気があるのかをお話しします。
口腔粘膜は、唾液により湿潤し保護されていますが、歯や食物などによる刺激を受けやすいため、症状が変化しやすいのが特徴です。また、口腔内にはたくさんの常在菌が存在するため感染による影響も受けやすいといわれています。
口腔粘膜疾患の症状は多岐にわたります。さらに病変が歯や食べ物などの刺激や細菌感染によって2次的に修飾されるため、診断および原因の特定が困難な場合があります。
①白板症(はくばんしょう)
口腔粘膜、とくに頬粘膜(きょうねんまく)や舌、ときには歯肉にみられる白い病変で、こすっても剥離(はくり)しないものをいいます。白板症は比較的頻度も高く、とくに舌にできたものは悪性化する可能性が高いため、前がん病変の代表的なものとされています。びらん(粘膜の浅い欠損)をともなうこともあり、ものが当たると痛かったり、食べ物がしみたりします。白板症の発生頻度は男性が女性の2倍で年齢は50〜70歳代に好発し、悪性化率は約1〜10%です。
🔍原因🔍
喫煙やアルコールによる刺激、義歯などによる慢性的な刺激、ビタミンAやBの不足、さらに加齢や体質なども関係するといわれています。
⚖️分類
均一型
・表面が平坦またはしわ状で均一な白色
・比較的癌リスク低い
非均一型
・表面がザラザラして熱く盛上がっている
・白斑の中に赤いびらん、潰瘍が混在する。
・癌に進行リスク高い
📌好発部位
・頬粘膜 ・舌(特に側縁) ・歯肉 ・口底
❤️🩹治療
ビタミンAを投与したり、禁煙により治癒することもあります。しこりや潰瘍をともなうものは初期がんが疑われるため、必ず組織をとって検査する必要があります(生検)。白い部分が厚いもの、隆起したもの、びらんや潰瘍を伴うものは悪性化(がん化)する可能性が高いので、切除します。長年かかって悪性化する場合もあり、長期にわたる経過観察が必要です。
②紅板症(こうばんしょう)
紅色肥厚症(こうしょくひこうしょう)ともいわれ、舌、歯肉、その他の口腔粘膜に発生します。鮮紅色でビロード状、表面は平滑な病変です。境界は明瞭なものが多くみられます。初発症状として多くの症例で刺激痛が認められます。一般的に50歳代以上の高齢者が全体の80%を占めています。紅板症の50%前後が悪性化するといわれています。
📌好発部位
・舌縁 ・口底 ・軟口蓋 ・臼歯後方部 ・頬粘膜
❤️🩹治療
外科的に切除するのが望ましいとされています。悪性化する可能性が高いため、治療後にも経過観察を行う必要があります。
③口腔カンジダ症
おもにカンジダ・アルビカンスという真菌(しんきん:かび)によっておこる口腔感染症です。急性型と慢性型があります。口腔粘膜の痛みや味覚障害が出ることもあります。
急性型である偽膜性(ぎまくせい)カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しています。この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが、剥離後の粘膜面は発赤やびらんを呈しています。白苔が認められない萎縮性(いしゅくせい)あるいは紅斑性(こうはんせい)カンジダ症は舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴で、偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなります。口角の発赤、びらん、亀裂を認める口角炎もカンジダが原因になっていることが多くあります(カンジダ性口角炎)。病変が慢性に経過した肥厚性(ひこうせい)カンジダ症では、白苔は剥離しにくく、上皮の肥厚を伴うようになります。
🔍原因🔍
カンジダ菌は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、全身衰弱などによって免疫力が低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。
⚖️分類
・偽膜性カンジダ症・・・口腔粘膜に乳白色の小斑点状の白苔として付着。白苔は容易にぬぐいとることができるが,強く剥離すると出血することがある。乳児や高齢者に多い。
・萎縮性カンジダ症(紅斑性カンジダ症)・・・粘膜に発赤、粘膜の萎縮やびらんがみられ、疼痛や灼熱感がある。抗菌薬使用後に多い。
・肥厚性カンジダ症・・・粘膜が肥厚し,白色化する。白色部分はぬぐっても除去することができない。
📌好発部位
・舌背 ・頬粘膜 ・口蓋 ・義歯下粘膜 ・口角
❤️🩹治療
口腔内の清掃、抗真菌薬を含むうがい薬や塗り薬を使用しますが、時に抗真菌薬の内服を必要とすることもあります。
④再発性アフタ
アフタは直径数ミリ大の円形の浅い潰瘍で、潰瘍の表面は灰白色~黄白色の偽膜で覆われ、潰瘍の周囲は赤くなっています。食物や歯ブラシなどがちょっと触れただけもズキッとした強い痛みを覚えます。また刺激性の食物や熱いもの、塩辛いものがしみたりします。アフタは何もしなくても1~2週間で治ります。アフタが再発を繰り返す場合に再発性アフタといいます。 なお、慢性再発性アフタはベーチェット病の一症状として生じることもあります。
🔍原因🔍
原因は不明です。機械的刺激、遺伝性、極端な疲労、ストレス、あるいは片寄った栄養摂取などいろいろな要素が絡み合って発症するといわれます。ベーチェット病では遺伝的素因が注目されています。
📌好発部位
・口唇粘膜 ・頬粘膜 ・舌下面 ・口底 ・軟口蓋
⚖️分類
・小アフタ型・・・直径 10mm未満。1〜2週間で治癒。瘢痕なし。
・大アフタ型・・・10mm以上。深い潰瘍。治癒に数週間〜数か月。瘢痕を残す。
・疱疹状アフタ・・・小潰瘍が多数。集簇して融合。ウイルスとは無関係。
❤️🩹治療
副腎皮質ステロイド薬入り軟膏や口腔粘膜貼付錠、うがい薬を投与しますが、時に内服薬を用います。
⑤扁平苔癬(へんぺいたいせん)
皮膚や粘膜にできる角化性で炎症をともなう難治性の病変です。口の中では頬粘膜に多く認めますが、舌や口唇にも生じます。白い粘膜の角化(かっか)がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。しばしば、びらんや潰瘍を形成し、接触痛を認めたり、食物がしみたりします。まれにがん化することもあります。悪性化率は約 0.5〜2%です。
🔍原因🔍
アレルギー、とくに歯科用金属によるものや遺伝的素因、自己免疫疾患、ストレスなどの精神的因子、さらに代謝障害などの関与が考えられていますが、正確な原因は不明です。
📌好発部位
・頬粘膜 ・歯肉 ・舌 ・口唇粘膜 特に頬粘膜に左右対称に出ることが多い。
⚖️分類
網状型・・・白色の網状模様。無症状のことが多い。
びらん型・・・粘膜の発赤。びらん、潰瘍。痛みが強い。
萎縮型・・・粘膜が赤くなる。ヒリヒリ痛む。
水疱型・・・水疱形成でまれにある。
❤️🩹治療
局所的には、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏を使います。歯科用金属によるアレルギーが疑われる場合は、原因と思われる充填物(つめもの)や冠(かぶせもの)を除去する必要があります。これらを除去する前に、歯科用の金属アレルギー検査を行うこともあります。
口腔粘膜疾患、いかがでしたか?自覚症状がなかったり、ご自身ではなかなか気づきにくい場所にできていたりすることもあります。興福歯科医院では、定期検診の時にも口腔粘膜をしっかりチェックします。
少しでも気になることがあればご相談くださいね。