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HbA1cとは❓
2026.01.13
こんにちは。興福歯科医院です。
今日は糖尿病と関わりの深いHbA1c(ヘモグロビンA1c)についてお話しします。
HbA1cのHbは、血液中の赤血球内に含まれているたんぱく質の一種で、全身の細胞に酸素を運んでいます。このHbにブドウ糖がくっついたものをHbA1cと言います。
HbA1cは、血液中のヘモグロビンに結合したブドウ糖の割合を示す数値です。過去1~2ヶ月の血糖値の平均を反映する指標で、糖尿病の診断基準や管理に用いられます。数値が高いほど血糖コントロールが悪いことを示し、合併症のリスクも高まります。
🧪特徴
食事や運動の影響を比較的受けにくく、長期的な血糖コントロールの指標として用いられます。
血糖値が低い状態が続くとHbA1cは低くなり、高い状態が続くと高くなります。
赤血球の寿命(約120日)によって数値が変化するため、短期間の血糖変動には影響されにくいのです。
糖尿病の診断
HbA1cの値は、糖尿病の診断基準の一つとして用いられます。
HbA1cは日常的な血糖値の状態が確認ができるため、糖尿病の早期発見にも有効な検査です。
糖尿病の種類
日本人の糖尿病の90%以上は2型糖尿病という遺伝+生活習慣が発病に関わる病気ですが、1型糖尿病というまったく別の病気があります。1型糖尿病と2型糖尿病の違いについてお話しします。
🟠1型糖尿病
1型糖尿病は、免疫の異常やウイルス感染などが原因で膵臓からインスリンがほとんど、あるいは全く分泌されない病気です。食事や運動などの生活習慣とは関係ありません。
インスリンが欠乏すると、血液の糖分を筋肉などに取り込めなくなって身体でのエネルギーの利用がうまくいかなくなり、血糖値も上昇します。
若い年齢で発症することが多く、ほとんどの場合は家族から遺伝することはありません。何らかの原因で体の中に膵臓のβ細胞を壊してしまう抗体がつくられ自分で自分の膵臓を壊してしまうのが原因です。最近では1型糖尿病を引き起こす原因として、日光不足によるビタミンD活性の低下、清潔すぎる生活、母乳でなくミルクが増えたこと などが関係あるかも知れないといわれています。
治療には主にインスリン注射をします。
🟠2型糖尿病
2型糖尿病は生活習慣(食べ過ぎや運動不足)や遺伝が原因でインスリンの効きが悪くなったり、相対的にインスリンの働きが不足したりして、血糖値を下げられなくなる病気です。
2型糖尿病でも、病気が進行するとインスリンが分泌されなくなることもあります。
一般に生活習慣病と呼ばれる病気は2型糖尿病で、遺伝的要因も大きいですが、食生活や運動の習慣などによって発症を防げると言われています。
治療は生活習慣の改善や、薬を用いた血糖値の調整などです。
| 1型糖尿病 | 2型糖尿病 | |
| 若年に多い (ただし何歳でも発症する) | 発症 年齢 | 中高年に多い |
| 急激に症状が現れて、糖尿病になることが多い | 症状 | 症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する |
| やせ型の方が多い | 体型 | 肥満の方が多いが、やせ型の方もいる |
| 膵臓でインスリンを作るβ細胞という細胞が壊れてしまうため、インスリンが膵臓からほとんど出なくなり、血糖値が高くなる | 原因 | 生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が高くなる |
| 著しく低い(測定限界以下になることも) | cペプチド値 | 初期:基準値内~高め 進行:徐々に低下 |
| インスリンの注射 | 治療 | 食事療法・運動療法、飲み薬、場合によってはインスリンなどの注射を使う |
🟠その他の特定の機序、疾患によるもの
糖尿病以外の病気や、治療薬の影響で血糖値が上昇し、糖尿病を発症することがあります。
◎遺伝子として遺伝子異常が同定されたもの
- 膵β細胞機能にかかわる遺伝子異常
- インスリン作用の伝達機構にかかわる遺伝子異常
◎他の疾患、条件に伴うもの
- 膵外分泌疾患
- 内分泌疾患
- 肝疾患
- 薬剤や化学物質によるもの
- 感染症
- 免疫機序によるまれな病態
- その他の遺伝的症候群で糖尿病を伴うことの多いもの
🟠妊娠糖尿病
妊娠糖尿病とは、妊娠中に初めてわかった、まだ糖尿病には至っていない血糖の上昇をいいます。
糖は赤ちゃんの栄養となるので、多すぎても少なすぎても成長に影響を及ぼすことがあります。そのため、お腹の赤ちゃんに十分な栄養を与えながら、細やかな血糖管理をすることが大切です。
妊娠中は絶えず赤ちゃんに栄養を与えているため、お腹が空いているときの血糖値は、妊娠していないときと比べて低くなります。
一方で、胎盤からでるホルモンの影響でインスリンが効きにくくなり、食後の血糖値は上がりやすくなります。
多くの場合、高い血糖値は出産のあとに戻りますが、妊娠糖尿病を経験した方は将来糖尿病になりやすいといわれています。
糖尿病の合併症
糖尿病の合併症の予防には、HbA1cの適切な管理が不可欠です。
〜糖尿病の代表的な合併症とその症状~
| 糖尿病性神経障害 | 末梢神経障害(特に下半身)、疼痛、知覚異常など多彩な神経症状がみられます。 | 両足のしびれ・痛み、立ちくらみなど |
| 糖尿病網膜症 | 網膜出血や網膜剥離が起こり、重篤になると失明します。 | 視力低下、失明など |
| 糖尿病性腎症 | 腎機能が低下し、腎不全に至ります。 | タンパク尿、むくみ、人工透析など |
| 心筋梗塞 | 心臓に血液を送る冠動脈がプラークや血栓で閉塞し、心臓の筋肉(心筋)への血流が途絶えて壊死する。 | 急な胸の痛み、胸部の圧迫感、心停止など |
| 脳梗塞 | 脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳細胞が酸素や栄養不足で壊死してしまう | 手足の麻痺、呂律がまわりにくいなど |
| 足えそ | 足の組織が死んでしまう状態。 | 足の皮膚が赤くはれる、足が腐るなど |
| 歯周病 | プラーク中の細菌が歯ぐきや歯を支える骨に炎症を起こし、進行すると歯を支える組織が破壊されて最終的に歯が抜け落ちてしまう感染性。 | 歯肉の痛み、歯が抜けるなど |
インスリン抵抗性
→ インスリンが分泌されているにも関わらず、インスリンが臓器に作用しづらくなり、血糖を臓器に取り込むために、より多くのインスリンを必要とする状態
インスリン分泌低下
→インスリンを膵臓からうまく分泌できない状態
HbA1cの検査基準値
数値が正常型では糖尿病の疑いが少なく、糖尿病型は糖尿病の可能性が高い状態を示します。
境界型とは隠れ糖尿病のことで、将来的に糖尿病を発症するリスクが高い状態です。
| 正常型 | 正常高値 | 境界型 | 糖尿病型 |
| ~5.5% | ~5.9% | ~6.4% | 6.5%~ |
通常では基準値は6.0%未満とされていますが、特定健診では5.6%以上で特定保健指導の対象とされます。
特定健診とは生活習慣病の予防を目的として、健康保険に加入する40〜74歳を対象に実施される健診のことです。検査数値が基準値を超えた場合、保健師などの指導を受け生活習慣の改善に取り組む特定保健指導を行います。
HbA1cのコントロール目標値を以下のように定めています
| 血糖正常化を目指す際の目標 | 合併症予防の目標 | 治療強化が困難な際の目標 |
| 6.0%未満 | 7.0%未満 | 8.0%未満 |
では次にHbA1cを下げるにはどうしたら良いのかお話しします。
HbA1cを下げるには、血糖コントロールを良い状態にしておくことがポイントです。
血糖コントロールを良い状態にするには、
・血糖値を必要以上に上昇させない
・糖の吸収を穏やかにする
・運動を習慣的に行う、日常生活でこまめに動く
などが大切です。
具体的には、食習慣・運動習慣で次のようなことを見直してみる事が大切です。
生活習慣の改善
食事
🔵食事と食事の間隔が空き過ぎないようにしましょう
朝食を抜くことが週3日以上ある、昼食と夕食の時間が8時間以上あくことが多い、夕食の時間が22時を過ぎることが週3日以上ある方は、食後の血糖値が急上昇することがあります。食事は、抜かずに1日3食規則正しく食べるようにすると血糖値の急上昇を抑えられます。
どうしてもお仕事の都合で、夕食が遅くなってしまう方は、昼食と夕食の間(夕方)におにぎりやエネルギーバーなどの軽い食事をとり、食べた分は夕食から減らして野菜中心の食事を心がけ、1日の総摂取エネルギー量が増えないようにすると血糖値の急激な上昇を抑えられます。
また、朝が忙しくて朝食を抜きがちな方は、おにぎり、サンドイッチ、牛乳や豆乳などの飲み物などの簡単に口に入るものをあらかじめ準備し、食べるようにしましょう。1日の摂取カロリーを抑え、バランスの良い食事を心がける事も大切です。
🔵夕食後の間食・アルコールは控えめにしましょう
夜は寝るだけなので、夜食べた分はエネルギーとして使われません。そのため、血糖値が下がりにくく、血糖コントロールを乱す原因となります。夕食後の間食やアルコールが習慣になっている人は気を付けましょう。
🔵野菜や海藻類は、毎食、最初に食べましょう
野菜や海藻類には食物繊維が多く含まれており、ブドウ糖の吸収を穏やかにしてくれます。これが血糖値の急激な上昇を抑えることにつながり血糖コントロールに効果的なので、野菜・海藻類は出来るだけ毎食食べましょう。
外食が多い方は、単品料理よりも栄養のことを考えて「定食」を選ぶ方が多くいらっしゃいます。しかし、大事なのはバランスです。野菜が多いメニューを選ぶと大盛などにしなくてもボリューム満点となりますので、野菜の量に注目して選んでみましょう。
運動
🔵運動習慣がない人は、まずはこまめに動く習慣を身につけましょう
よく運動する人は、ブドウ糖がすぐに消費され、血中のブドウ糖を調整するインスリンというホルモンが効きやすい体質になると言われています。
普段あまり運動できていない方は、駅から家、スーパーから家までの距離を遠回りする、階段を使うなど、簡単なところから運動量を増やしましょう。毎日1万歩ぐらいの運動ができれば理想的です。
睡眠
🔵睡眠不足に注意を。休日はリフレッシュしてストレス解消を
睡眠不足は過食や運動量の低下から体重増加を引き起こし、インスリン抵抗性や2型糖尿病リスクを高めるという研究結果もあります。また、ストレスが高い状態が続くと血糖コントロールを悪化するともいわれています。夜は、就寝する1~2時間前にぬるめのお風呂に15分くらいゆっくり浸かり、質の良い睡眠をとりましょう。休日は、自分のための時間を確保しリフレッシュを。
睡眠不足は、食欲を増進させます。食べ過ぎや肥満を招くだけでなく、空腹時血糖値の上昇、インスリンの基礎分泌を低下させることがわかっています。糖尿病やメタボのリスクが最も低いのは、睡眠時間が7〜8時間という調査もありますので、睡眠時間をしっかりと確保しましょう。
睡眠の質を上げるには、「朝日を浴びる」「軽い運動をする」「寝る前にリラックスする」などがあります
体重のコントロール
肥満はインスリン抵抗性を高めるため、標準体重を目指しましょう。 肥満は、インスリンの働きが悪くなる(インスリン抵抗性)だけでなく、インスリン分泌を低下させる要因となります。まずは、標準体重に近づけるように目標を立てましょう。算出の仕方は、「標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22」です。
例)身長165cmの場合 1.65×1.65×22=59.8kg 標準体重は59.8kgし
ストレスの管理
ストレスは血糖値を上昇させるため、ストレスを溜め込まないようにしましょう。 ストレスは高血糖に強く影響しHbA1cを上げる原因となるため、上手にストレスを解消させていく必要があります。
ストレスによって分泌される代表的なホルモンに、コルチゾールがあります。
コルチゾールは脂肪の分解や抗炎症作用、免疫抑制などの役割をもつ生命維持に欠かせないホルモンです。コルチゾールには体内で糖が不足したときに血糖値を上昇させる働きがあり、低血糖を防ぎます。
しかし、度重なるストレスによって過剰にコルチゾールが分泌されると、高血糖を起こします。
ストレスは過食や暴飲暴食などの食習慣の悪化や睡眠不足、喫煙など高血糖のリスクを高める原因です。
ストレスはさまざまな病気の原因になるため、以下を参考にライフスタイルに合ったストレス解消法を取り入れましょう。
お口のケア
歯周病の治療や予防が血糖コントロールに良い影響を与えます。 糖尿病は、歯周病を進行しやすいリスクがあります。歯周病を治療することは、血糖値の改善に効果があることがわかっています。歯周病は、歯周病細菌の感染による感染症です。歯周病が進行することで、細菌群の出す毒素が体内に入り込むとインスリンの働きを悪くし、血糖コントロールが悪くなります。日々の歯磨きを丁寧にし、定期的に歯科医院に行き歯石除去に加えて、歯周病治療をする事を意識しましょう。
まとめ:
歯科治療におけるHbA1cの役割は、糖尿病患者の安全な治療を確保し、また糖尿病の管理状態を把握する上で非常に重要です。歯科医師は、HbA1cの数値を参考に、適切な治療計画を立て、必要に応じて内科医と連携しながら、患者の全身の健康をサポートすることが求められます。
どうでしたか?HbA1cのお話し。もし糖尿病で治療中の方や糖尿病の予備軍と言われた方は、歯医者さんで先生や歯科衛生士にお話しください。その際は、HbA1cの値を教えてくださいね。興福歯科医院ではみなさんの全身の健康をスタッフ一同サポートさせていただきます!