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歯周病の治療方法
2025.12.20
こんにちは。興福歯科医院です。
今日は、歯周病の治療方法についてお話しします。
歯周病の進行段階に応じての治療例🌤️⛅️🌥️☁️
🌤️歯肉炎🌤️
歯肉炎の治療では、病原因子であるプラーク(歯垢、磨き残し)の日常のコントロールが最も効果的といえます。
プラークコントロールに使う器具には、歯ブラシ、さらに補助的清掃用具(歯間ブラシ、フロス、ワンタフトブラシ、スーパーフロスなど)が挙げられます。
歯科医院を受診されるほとんどの患者さんが、歯ブラシや歯間ブラシなどの使用、使用方法について歯科医師、あるいは歯科衛生士より指導を受けた経験があると思います。
これはプラークの形成された初期では、歯ブラシを使って磨き残しを減らすことが効果的であり、患者さん自身による日々のプラークコントロールが、歯周治療にとって必要不可欠であるためです。
一方、口腔内に沈着したプラークを放置しておくと、プラークは口の中のミネラル成分と反応し、日常のブラッシングでは除去することが困難な硬い歯石を形成します。
このような場合は日常のプラークコントロールに加え、専門的な歯科治療として、歯科医院で行うスケーリングといった硬い歯石を歯の表面より取る処置が必要となってきます。
⛅️軽度歯周炎⛅️
軽度であったとしても、歯周炎は毎日のブラッシングだけでは十分な改善は期待できません。歯科医院での治療が必要となります。
治療の大きな目的は、歯や歯周ポケット内に定着したプラークを除去して、再度プラークが付着しにくい環境を作ることです。
代表的な内容としては、ブラッシング指導とスケーリング・ルートプレーニング(SRP)が挙げられます。
SRPは、セルフケア(ご自身によるブラッシング)だけでは取り切れないプラークや歯石の除去に加え、歯根の表面を滑沢にすることを目的に行います。
SRPにはスケーラーという器具を使用します。
スケーラーの種類には大きく分けて超音波スケーラーと手用スケーラーがあります。
超音波スケーラーは主に歯石やプラークの除去を目的として使用し、手用スケーラーと比べて歯石の除去効果は高いです。
また手用スケーラーは、より細かい部分の歯石の除去や、歯根表面を滑らかにするために使用します。
興福歯科医院では、レーザーを使用して行うこともできます。レーザーを使うことで歯ぐきや歯茎の周りの組織にかける負担を少なくし、優しく歯根の表面をなめらかにすることができます。深い歯周ポケットで治療中に痛みがでる場合は、局所的に麻酔を使用することもあります。
その他の治療法としては、
被せ物の交換:被せ物の縁の適合が悪くなり、段差などができていると汚れが入りやすくなります。プラークコントロールをしにくくしている被せ物(クラウンやインレーなど)が入っている患者さんに対しては、作り直しが必要となる場合があります。
噛み合わせの調整:噛み合わせが悪く歯や周りの組織への負担が大きくなってしまうと、歯周病が進行してしまいます。この場合、噛み合わせの調整を行います。
🌥️中等度歯周炎🌥️
歯周病検査の結果をもとに、口腔内の状態を理解してもらった上で、患者個人に合ったブラッシングの方法を指導します。
その後、歯科医師や歯科衛生士による専門的な感染源の除去(スケーリング・ルートプレーニング:SRP)や抗菌薬の局所投与といった歯周基本治療を行います。
しかし、歯が動揺したままだと歯周組織が安定せず,歯周基本治療の効果が弱まってしまいます。
歯の動揺が大きい場合には、噛み合わせの調整や歯と歯を歯科用樹脂(レジン)などを用いて固定し、歯周組織を安静にした状態で治療を行う場合もあります。
ここまでの歯周基本治療で病状が改善しない場合、深い歯周ポケット内の歯根表面に歯石が残っている可能性があります。
一般的に、歯周ポケットの深さが5 mm以上の場合には、SRPで取り除くことのできる歯石は約10 %であると報告されています。
よって、中等度歯周炎においては、歯周基本治療後に歯石を確実に除去するための外科的な対応(歯肉剥離掻爬術)が必要になります。
最後に、歯周組織の再評価を行い、病状が安定したことを確認した上で、サポーティブ・ペリオドンタル・セラピー(SPT)へ移行します。
歯周外科治療とは❓
歯周外科治療は歯周基本治療を繰り返し行っても、歯周病がよくならない(歯周ポケットが浅くならない)場合に実施される治療です。歯周ポケットが深くプラークが歯周ポケットの奥深くに入り込んでしまっている場合、歯周基本治療ではこれを除去できないことがあります。
そのため、これらのプラークや歯石を外科手術によって取り除くための治療が歯周外科手術です。歯周外科手術の中で最もよく行われている手術法が歯肉剥離搔爬術(フラップ手術)です。手術時間は通常1〜2時間程かかります。
フラップ手術は局所麻酔をして行います。そのため、手術中の痛みはほとんどありません。手術法は歯肉を切開し、歯の根面を露出させ、そこに付着しているプラークや歯石などをスケーリング・ルートプレーニング(前述)で徹底的に取り除きます。
その後、歯肉を元の状態に戻すために縫合します。場合によっては、歯肉に包帯をします。1週間後に包帯を除去し、抜糸します.。大きな手術ではありませんので、入院する必要はありません。
しかし、フラップ手術では歯周ポケットが完全に改善できない場合があります。このようなケースでは「切除療法」を行い,歯周ポケットをできるだけ浅くなるようにします。さらに、最近では歯周病で失われた歯周組織を再生させるための「歯周組織再生療法」も行われています。
他にも、歯周病で下がってしまった歯肉の見た目を治したり、歯肉の形態を直し歯ブラシを行いやすくするための「歯周形成手術」などの手術方法があります。
歯周組織再生療法とは❓
歯周外科手術はさらに進歩して、歯周病の進行によって失われてしまった歯周組織を再生させるための治療が歯周外科治療時にあわせて行われることがあります。この手術は歯周組織再生療法と呼ばれ、従来のスケーリング・ルートプレーニングなどの原因除去療法や外科手術だけでは期待できなかった歯周組織の再生を、ある程度期待できるようになりました。
この治療を受けることで、歯を支える歯槽骨だけではなく歯根表面のセメント質とよばれる硬組織が再生され、さらにはセメント質と歯槽骨がコラーゲン線維でつなぎ合わされるという、本来の歯の支え方が再構築されることになります。
しかしながら、現時点では、歯周組織再生療法を行う上での制約がいくつかあり、治療前の歯周組織の状態が一定の条件を満たす場合にのみ、歯周組織再生療法を行うことができます。興味のある方は、是非、興福歯科医院にご相談下さい。
病気や怪我で失われた身体の機能や形態を、元通りに再生するためには、実際に再生を担うことができる細胞(広く、幹細胞とよばれます)が必要になります。基礎研究の結果、歯周組織の再生を果たすことの出来る歯周組織の幹細胞が、私達が成人になっても歯の根っこの周囲に存在していることが証明されています。現在、臨床応用されている歯周組織再生療法には、いくつかの種類がありますが、その全ての治療法において、歯周組織の幹細胞を活性化する(あるいは、その細胞の機能を発揮しやすくする)工夫がなされています。以下に、その具体的な治療法を説明します。必要に応じて、これらの治療法が組み合わされることもあります。
🔴骨移植術🔴
歯周外科手術時に、患歯の近くから少量集めてきた顎骨(自家骨といいます)や、人工骨(合成移植材)を、歯周病の進行で歯槽骨が破壊された結果できてしまった歯槽骨の欠損部(歯槽骨にできた穴)に充塡することで、骨を創る細胞の足場を提供し、歯槽骨の再生を促そうとする治療法です。
🟡GTR法🟡
歯周病の進行で歯槽骨が破壊された結果できてしまった歯槽骨の欠損部(歯槽骨にできた穴)を、GTR膜とよばれる遮蔽膜で覆うことで、歯肉などをつくる細胞よりも、骨やセメント質を作る細胞を歯槽骨欠損部に優先的に導くようにして、その結果として、歯周組織のの再生を促します。
🟢エナメルマトリクスデリバティブ(EMD)法🟢
EMDとは、私達の歯根が形成される時に分泌され、歯根表面のセメント質の形成を促すタンパク質です。生後約6ヶ月の幼弱ブタの歯胚(これから歯になろうとする組織)から精製されたEMD(商品名:エムドゲイン®)が商品化されており、歯周病の進行で歯槽骨が破壊された結果できてしまった歯槽骨の欠損部(歯槽骨にできた穴)にEMDを投与することで、セメント質を、さらには歯周組織を再生しようとする治療法です。

🔵FGF-2製剤🔵
塩基性線維芽細胞増殖因子(FGF-2)とよばれる成長因子(私達の身体が創り出すタンパク質の一種で、治療には人工的に工場生産されたものが使われています)を有効成分とする歯周組織再生剤(商品名:リグロス®)を、歯周病の進行で歯槽骨が破壊された結果できてしまった歯槽骨の欠損部(歯槽骨にできた穴)に投与することで、患歯の周囲にある歯周組織幹細胞を活性化し、歯周組織再生を促そうとする治療法です。先に記した🔴🟡🟢は医療機器というグループに属しますが、🔵FGF-2製剤は、日本発・世界初の薬剤として日本で承認され、臨床応用されています。

☁️重度歯周炎☁️
すでに歯周炎により歯を失っていたり、新たに歯を抜かなくてはならないケースが多くなります。また、歯がぐらぐらと動揺していたり、歯が動いて伸び出てきたり傾いたりすることで、歯と歯の間に隙間ができたりすることもあります。
したがって、軽度あるいは中等度の歯周炎の治療に加えて、口腔機能回復治療という治療が必要となります。口腔機能回復治療とは、歯周病によって失われた口腔機能 (咀嚼機能、審美性、発音機能など) を回復するための治療の総称で、固定性ブリッジ、可徹性義歯(入れ歯)、あるいは口腔インプラントといった失った歯を補うための治療の他に、咬み合わせを調整する治療,矯正治療,複数の歯の連結固定、などの処置などが含まれます。
一般的には、喪失した歯が少数である場合には、固定性ブリッジと呼ばれる被せ物により治療が、多数の歯を喪失した場合には、可徹性義歯による治療が選択されることが多いです。
口腔インプラント治療には、固定性ブリッジのように歯を削る必要がないことや可徹性義歯よりも自分の歯と同じように快適に咬めることなどの利点もありますが、手術が必要になることや保険診療では行えないという欠点もあります。
重度歯周炎においても、軽度あるいは中等度の歯周炎の治療と同様に、まずは患者さん自身が歯に付着したプラークを除去できるようにトレーニングした後、歯周ポケットの中に付着しているプラークや歯石を除去するスケーリング・ルートプレーニングという処置を行い、深い歯周ポケットが残った場合には外科処置をおこないます。
その後、口腔機能回復治療を行いますので、治療回数が増え、治療期間も長期化するケースが多くなります。いずれの口腔機能回復治療を行った後も,長期的に歯周組織を安定させ,歯周炎を再発させないため,適切なメインテナンスを行う必要があります。
歯周病が重症化する前に日頃の歯ブラシを丁寧にしたり、歯医者さんで定期的に歯の掃除をすることが大切になります。まずは、歯医者さんの受診から。スタッフ一同、お待ちしていますね!