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糖尿病と歯周病について
2026.01.07
こんにちは。興福歯科医院です。
今日は糖尿病と歯周病の関係性についてお話ししたいと思います。
【歯周病治療ってどんな治療?】
治療に際して、歯周病は口の中全体の歯で同時に進行していくため、全ての歯で歯周ポケットの深さを計測する歯周ポケットの検査や、歯の揺れ具合、プラーク・歯垢(磨き残し)の付き具合の検査を行います。
治療ではまずブラッシング指導により患者さん自身でプラークを取り除けるような練習を行います。プラークを形成する細菌が歯肉で引き起こしている炎症を減らすのが目的で、これは「プラークコントロール」と呼ばれ、歯周病治療の中心となります。
患者さん自身によるプラークコントロールが基本となりますが、その上で歯科医院で定期的に受診を行い、歯周ポケットの中に付着しているプラークや歯石を超音波振動機器や手用器具を用いて取り除きます。これは歯科医院でしか行う事ができない重要なプラークコントロールです。
一旦治療が終了しても、歯周病は再発することが多いため、「メインテナンス」と呼ばれる定期的なチェックとケアを行っていくことが必要です。
🎈糖尿病と歯周病の関連性🎈
歯周病は糖尿病の第6の合併症です
糖尿病の人は、そうでない人に比べて歯肉炎や歯周炎にかかっている人が多いという疫学調査が複数報告されています。実際に、糖尿病になると歯周病におよそ2倍(1.2~2.6倍)かかりやすくなることが分かっています。
さらに、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになりました。つまり、歯周病と糖尿病は、相互に悪影響を及ぼしあっていると考えられるようになってきました。
🦠歯周病により糖尿病が悪化するメカニズム🦠
歯周ポケットに歯周病菌が溜まってしまうと、免疫細胞である白血球が菌を退治しに集まってきます。この時、白血球が歯周病菌の出す毒素に触れることである物質を放出するのです。
この物質こそ歯周病由来の炎症性の‘’TNF―α ‘’(サイトカイン「腫瘍壊死因子α」)と呼ばれる物質です。そしてこのTNF―αには血液中のインスリンの働きを妨げてしまう作用があるのです。つまり歯周病でTNF―αを多く放出している場合、インスリンの働きが低下し糖尿病が一気に進行してしまうことがあります。そして糖尿病が進行すると当然、血糖値が高くなります。そうすると、歯ぐきの毛細血管の血流が悪化、血液が行き渡らず歯周病菌を退治できなくなってしまいます。
こうして歯周病による歯ぐきの炎症が悪化するつれて、さらにTNF―αが多く放出され糖尿病もますます悪化、この悪循環を繰り返しついにはわずか半年で重度の糖尿病で倒れてしまうのです。

🌀糖尿病により歯周病になるメカニズム🌀
🟣口の中が乾燥する🟣
唾液には食べ物を消化する働きの他に、口の中を浄化したり組織を修復したりする働きもあり歯周病を防ぐ働きがあります。高血糖状態では浸透圧の関係で尿が多く出ます。これにより体内の水分が減少すると共に唾液の分泌量が減少し唾液の作用が低下し歯周病の原因となる菌が繁殖しやすくなります。
🟣唾液などの糖分濃度が高くなる🟣
唾液や歯肉からの滲出液は血液から作られています。そのため、高血糖の人は唾液や滲出液の糖分の濃度が高くなります。この結果、歯周病の菌が繁殖すると考えられています。
🟣細菌に対する抵抗力が低下する🟣
高血糖により白血球の遊走能・貪食能・殺菌能などの機能低下が生じ歯周病原菌に対する抵抗力が低下する。
🟣組織の修復力が低下する🟣
血糖値が悪い状態では組織を修復する働きが低下します。糖尿病で歯周病の進行が早くなるのは、これが影響していると考えられています。
歯科治療、特に抜歯などの外科処置を行う際には、HbA1cの値が7.0%未満であることが望ましいとされています。
HbA1cの値が7.0%以上の場合、術前後に抗菌薬を服用したり、歯科治療を延期したりすることがあります。
HbA1cが高いほど、感染症のリスクが高まるため、歯科医師は患者の血糖コントロール状態を把握し、安全な治療計画を立てる必要があります。
⭐️歯周病の治療が血糖コントロール改善につながる⭐️
糖尿病患者に歯周治療を行うことは、血糖コントロールにも有効と考えられます。
これまでの研究により、歯周病治療後4カ月で、HbA1cが約0.3%低下することが分かっています。
次回は、このHbA1cについてお話ししたいと思います。
